コロナ禍によって人材の採用がうまく進まなくなってしまった昨今、
オンラインでの採用面接も珍しくなくなってきました。
コロナ禍であっても優秀な人材を採用したいと企業が考えるのは当然のこと。
しかし、実際に会うことなくオンライン面接によって、
従来通りしっかりとニーズに合う優秀な人材を採用できるかどうかは
採用担当者として気になるところでしょう。
 
今回は、実際にオンライン面接を導入している企業の採用状況の実情と、
導入した場合に発生するメリットとデメリットについてご紹介します。

 

オンライン面接は社会に受け入れられているのか?

以前は当たり前のように行われていた対面型の採用面接でしたが、
コロナ禍によって非接触型の対応が求められるようになり、
急激にオンライン面接が広がっていきました。
 
もちろん業種の特性上、対面での面接が好まれる場合もあり、
全ての面接がオンライン対応になっているかというとそうではありません。
しかし、コロナ禍においては在宅勤務が広く推奨されている実情もあり、
特に出勤が必須とならない業種については
オンラインで面接が行われるのが主流となりつつあります。
 
採用面接を実施する側も受ける側も、
コロナに感染してしまうリスクを考慮しなければならないと考えれば、
オンラインにて面接を行うことができた方がお互いに安心につながるでしょう。
 
採用面接を受ける応募者にとっても、
面接のために会場へ移動する必要がなくなったことで
効率よく多くの企業の面接を受けることが可能になり、
また以前であれば難しかった遠隔地の企業の面接を受けることも
オンライン面接によって可能になりました。
 
ちなみに2021年7月にdodaエージェントサービスで取り扱いがあった求人募集のうち、
63.7%がオンライン面接可能となっていました。
この結果からも、多くの企業がオンライン面接を実施するために、
その準備を整えてきているということになります。

 

オンライン面接を実施することで得られるメリット

オンライン面接はコロナ禍によって急速に普及した背景もあり、
企業によってはその変化についていく事が難しく、
導入することに対して抵抗があるかもしれません。
しかし、従来よりも応募者一人ひとりに対して柔軟な対応が可能となり、
対面型での採用面接では出会えなかった
優秀な人材を採用することに繋がっています。

 
オンライン面接を導入した場合どのようなメリットが
享受できるのか具体的に見ていきましょう。

 

より多くの応募者と面接が可能に

対面型の面接では、面接を実施するための会場や待合室の確保が必要でした。
しかし、オンライン面接ではその必要はありません。
面接官が会場へ移動する手間さえも省けるため、
1日に対応可能な面接数も多くなり、
結果としてより多くの面接希望者に対応することができるようになります。

 

移動する必要がなく、場所を用意する必要もない

まだ他社で働いている応募者に配慮して
終業時間後に面接対応をしなければならないことも少なくありません。
その準備と片付けの時間を考慮すると、とても負担の多い仕事となってしまいます。
しかしオンライン面接であれば、場所の移動を伴うことがないので、
時間外対応の面接であっても手を煩わせることなく終わらせることができます。

 

遠隔地に住む候補者とも面接することができる

今までは面接が難しいと考えられていた
遠隔地や海外に住む求職者も面接を受けることが可能となりました。
また、わざわざ足を運ぶ必要がないということは応募者の心理的負担を軽減し、
面接へ応募する心理的ハードルを下げることにつながります。

 

面接にかかるコストの削減

企業側は、面接会場や待機場所の準備など
対面で面接を行う際に発生する費用を削減することができます。
応募者が遠方から訪問する場合は、
交通費や宿泊費が高額になる場合もあります。
オンライン面接であれば、それらのコストを削減することができます。

 

お互いに日程調整がしやすくなる

対面型面接では、応募者はもちろん面接官の日程調整も必要になります。
応募者が面接会場まで足を運べる日であり、
かつ面接官の予定が空いていて、
場所の予約ができる日を調整しなければいけません。
それに対してオンライン面接では、場所や時間の制限がなくなるので
日程調整の幅が広がり、円滑に面接予定日を取り決めることができます。

 

面接の様子を録画して共有することができる

オンライン面接に使用するツールによっては録画が可能なものがあります。
その面接を実施した面接官が、自分が行った面接がどうだったのか、
不備はなかったか、面接の進め方や質問内容は良かったのかなど、
面接を見返すための材料になりますし、
将来別の面接官を育成するための資料としても残すことができます。

または、面接に参加していない別の面接官が採用可否を検討する際に
見返すことも可能です。

 

環境の変化によって応募者が委縮することがない

対面型面接である場合、初めて訪問する企業で面接に臨むことになります。
もし応募者が面接慣れしていなかったり場所見知りする人柄だった場合、
通常以上に緊張してしまい、本来の自分の良さをアピールできずに
終わってしまうかもしれません。

しかしオンライン面接であれば、
自宅など自分のフィールドで面接を実施することができるので
不必要に緊張することがなく、
しっかりとアピールできることに繋がるかもしれません。

 

オンライン面接によって発生するデメリット

人柄が伝わらない、企業の雰囲気が伝わらない

対面型面接に比べて、オンライン面接では
お互いの空気感がうまく伝わりづらいというデメリットがあります。
通信速度の関係で、音声が遅れたりすると、
相槌を打つタイミングが分からなかったり、
お互い無言の時間が続いたりと気まずさが際立ち
コミュニケーションがうまく取れなくなるかもしれません。
そして対面型であれば実際に企業に訪問することで、
実際に社内の雰囲気や空気感を感じることができますが、
オンライン面接ではそれは出来ません。

 

情報漏洩が起こるかもしれない

面接とはいえ、社外に通信を繋ぐことになります。
面接時に人物以外に画面に映りこんでいる物や、
社員同士の会話内容などが外部に流出することになります。
できるだけそのようなトラブルが起きないよう、
お互いに周囲に誰もいない環境を選んで面接を行うべきでしょう。

 

インターネット回線の不具

オンライン面接で一番懸念される事は、
通信中の機器の不具合や通信環境が不安定になるなどのトラブルです。
お互いが日程を調整してその日の面接に臨んでいるため時間が限られている中、
通信の不具合でうまくコミュニケーションが取れないことはとても残念になります。
映像が止まってしまったり、ノイズが入ったり、
音声がうまく伝わらない事もあるかもしれません。
そのようなトラブルが起こった際にどういった対応をするべきなのか
社内で事前に決めておく必要があるでしょう。

 

機器関係の事前の準備不足によるトラブル

面接を実際に行う時に、機器設定に手間取ったり、
画面共有がうまくいかなかったりすると、
応募者からマイナスなイメージを持たれることに繋がるかもしれません。

事前にアプリケーションのインストールやマイクテストが必要なのであれば、
事前に応募者に伝えて対応してもらう必要があります。
当日手間取ってしまうことで大事な面接の時間が短くなってしまう可能性もあります。

 

オンライン面接を導入する手順

 

1.導入するに至った課題の明確化

まず最初に、現状行われている対面型面接についての課題点を検討します。
オンライン面接を導入して、従来の対面型より
デメリットが多くなるようでは導入する意味がありません。

従来の面接官を務めてきた社員が負担に感じていたことや、
面接に伴い発生するコストについてなど細かく精査します。
それらを十分改善できる形でオンライン面接を導入することがが好ましいでしょう。
オンライン面接を取り入れることで面接官の作業や費用の負担が
逆に増えることがないよう事前に検討することが必要になります。

 

2.導入するツールの選定

次にオンライン面接に使用するツールを選定します。
洗いだした課題点が解決できるツールであることはもちろん、
予算なども考慮に入れて検討を進めます。
大事になるのはセキュリティについてです。
オンライン会議ではないので見落とされがちなポイントですが、
面接時に重要な確認事項がある場合もあるので注意が必要です。
そしてぜひ無料トライアルが利用できるツールを導入し、
ニーズに合ったツールであるのか実際に使用して
確認したうえで契約されることをお勧めします。

 

通信環境の整備

オンライン面接では、面接官と応募者が初対面で話をします。
通信環境の不備でお互いのコミュニケーションがうまくいかないことは、
採用結果に大いに影響することが考えられます。
社内の通信環境はもちろんのこと、
応募者側の通信環境についても事前に確認を促しておきましょう。
面接中に通信トラブルが起こった場合の対応については、
事前に検討することが必要です。

 

システム導入のための機器関係の準備

オンライン面接を行うために必要になる、
パソコンやスマートフォン、タブレットなどの機器を事前に準備しましょう。
通常は内蔵マイクを使用する場合が多いと思われますが、事前にマイクテストを行い、
音質の確認をして、必要であれば別途マイクを用意すべきでしょう。
映像についても、画質の確認をして不明瞭であれば別途カメラの準備が必要です。
応募者にも同じ対応を事前にして貰うよう事前に連絡しましょう。

 

応募者への事前連絡

面接当日の負担が少ない分、
オンライン面接に関わる準備は入念に行う必要があります。
応募者に対して、オンライン面接のシステムのダウンロードや
登録作業が必要になる場合もあります。
トラブルが発生した時の対応についても事前説明が必要です。

 

オンライン面接によって優秀な人材を確保することができる

コロナ禍の影響で対面型の面接ができなくなった
その代替として考えられがちなオンライン面接ですが、
非接触で面接ができることだけがオンライン面接のメリットではありません。
人材不足と言われている昨今、どの企業も優秀な人材を求めて四苦八苦しています。
優秀な人材から応募があっても、応募から面接まではどうしてもタイムラグが発生し、
面接の期日までに他社に採用されてしまうこともあり、
遠隔地にお住まいで実際に面接さえすることが叶わなかったりもします。

 

しかし、オンライン面接や在宅勤務が広く広まったことにより、
応募から面接までのタイムラグが大幅に短縮され、
他社に採用される前にこちらが採用するということも可能となり、
そのまま在宅で勤務をしてもらうこともできるようになりました。

 

応募から面接までの期間が短縮されることは、
応募した企業に対する就業意欲が高いまま面接を行うことができるので、
面接官と応募者がお互いに前向きな気持ちで面接を行うことができ、
採用率が上がるというメリットがあります。
その結果として、従来だと採用できなかった可能性のある優秀な人材を
採用できることに繋がるでしょう。

 

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